今の職場に採用してもらったのは、10年以上前のことです。
あのとき採用してくれた上司のことを、今でも時々思い出します。
【初めての面接】
面接に来てくださいという連絡の前に、一つ言われたことがありました。
「障害の診断書を持ってきてください」
障害者雇用の面接ならではの言葉でした。
初めて会った上司は、50代半ばの男性でした。
親会社からの出向社員で、役職は課長。
でも採用の決定権を持っている方でした。
大企業の人事部門で長年働いてきた方で、最初は「厳しい人だな」という印象を受けました。
それでも、障害者雇用の経験が豊富で、障害への理解がある方だということは、話しているうちに伝わってきました。
【採用後の日々】
採用後は総務担当として、その上司と同じ部署で働くことになりました。
一緒に働き始めてわかったのは、最初の印象とは全然違うということでした。
上司はとてもユーモアのある方で、おもしろい人でした。
そして、私のことを**「うちやん」**と呼んでくれるようになりました。
内田さんが「うちやん」に。
なんだか親しみが湧いて、嬉しかったのを覚えています。
過去に大病をして手術をしてきた経験をお持ちで、よくその話をしてくれました。
自分自身も体と向き合ってきた方だからこそ、障害を持つ私たちのことを自然に受け入れてくれていたのかもしれません。
【いなくなってからも語り継がれる人】
その上司は数年後、グループ会社へ転出していきました。
でも、いなくなった今でも、職場で時々話題に出るほど印象深い存在です。
「あの課長、おもしろかったよね」
「うちやんって呼んでたよね」
そんな会話が、今でも自然と出てきます。
それだけ、みんなの心に残っている方なのだと思います。
【今となっては、心から感謝しています】
あの日、あの上司が私を採用してくれなければ、今の私はいなかったかもしれません。
障害と仕事を両立できるようになったのは、この職場に出会えたからです。
そしてこの職場に出会えたのは、あの上司が採用を決めてくれたからです。
直接お礼を言う機会はもうないかもしれませんが、心の中で伝えたいことがあります。
採用してくれて、ありがとうございました。
うちやんと呼んでくれて、ありがとうございました。
もも


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